
アナハイム・エレクトロニクス社製のガンダムではなく、
サナリィ社においては『F91』に次ぐ、
ガンダムという名を冠した2機目のMSである。

コスモ・バビロニアの蜂起の際に、民間人ながら『F91』に搭乗し、
目覚しい戦果を挙げ、レジスタンスのエースとして活躍した
『キンケドゥ・ナウ(シーブック・アノー)』その人である。
サナリィの開発スタッフは、
キンケドゥの要望(ワガママ)に泣かされ続けたと
『社内イントラネット専用F97開発ブログ』に書き綴っている。笑

数点の条件を出したと言われる。
●接近戦闘向けMSとする。
この条件はガンダムとしては異例である、
ガンダムの歴史と言えば、より強力なビーム兵器(より遠方から敵を狙える)を
搭載したMSの歴史と言っても過言ではない。
事実、過去キンケドゥが搭乗していたF91も『ヴェスバー』を装備しており、
アウトレンジから敵MSを撃破するという遠距離戦向けMSという色合いが濃い。
にも関わらず、「接近戦用」という要望。
これは、ベラ・ロナ(セシリー・フェフチャイルド)がキンケドゥに、
『例え敵であろうと、傷つけないで欲しい・・・。』と懇願したからだと言う。
つまり、キンケドゥくらいの腕前になれば、
接近戦にて対峙するMSの頭部や腕部だけを破壊し、
サナリィ社としては、当初『F97(クロスボーンガンダムのコードNo)』を
『F91』のバージョンアップ版と捕らえ、
より強力なヴェスバーとビームシールドを備えたMSを、
キンケドゥに提案したが一蹴されたと開発ブログに記載されている。
『セシリーに怒られるだろ!怒』キンケドゥ談
●ABCマント(アンチ・ビーム・コーティング マント)の標準装備
もちろんマントには、海賊というイメージを増徴させる効果
(キンケドゥ自身はABCマントを纏ったクロスボーン・ガンダムの姿を
大変気に入っていた)もある。
実はサナリィ月面本社・工場にキンケドゥが視察時に、
(事前に何も言わずフラリと立ち寄った感が強い)
開発中のABCマントを見つけ、惚れ込んだのた。
ABCマントは、ある程度の出力のビーム2~3発であれば、
十分しのげる能力がある。
サナリィ開発陣としては、それでは実戦において不十分としていたが
『あたらなければ、どうということはないって、誰かが言ってたよ!』キンケドゥ談。
彼には敵MSに異常とも言えるスピードで急接近する際の、
お守り程度のモノで充分だったのである。

矛(ビームライフル等)が絶対的優位にある。
盾(シールド等)は結局、ビームが命中すれば、例えシールドで防御しても
そのシールドをビームは貫く事も多々ある。
結果、シールドを装備しないMSも少なくない。
そういった状況下で、ビームを防御できるビームシールドの出現は、
MSの盾として革新的であったし、ABCマントとのセットでの防御体制は、
より一層クロスボーン・ガンダムを接近戦用MSとして開花させたのである。
全くの余談だが、
ABCマントの耐ビーム兵器用表面加工の技術は、
あの『百式』の金色の耐ビームコーティングが由来である。
ジョブ・ジョン氏(元ホワイト・ベースクルー)が、
アナハイム・エレクトロニクス社から、サナリィ社へと移籍した際、
『百式』のデータを持ち込んだのである
(この事に付いては、別記事で記述するかも?)

隣町からワザワザ買いに来る人も、少なくないそうだ。