『ＭＳよもやま話Ｓガンダム編』の事。

Ｓガンダムを開発したアナハイム・エレクトロニクス社の
プロジェクトチーム（通称：ＭＧ）のメンバーは
お世辞にも優等生ではなく、腕はピカイチだが、一癖も二癖もある者揃いであった。

才能溢れるも、中々芽の出ない若き工学博士『Ｈ・カトキ』
己の道を歩む頑固エンジニア『マサ・タカハシ』
女子高生プログラマー笑『明貴美加』
そして、プレゼンとハッタリは超一流のチームリーダー『ア・サノー・Ｍ』
その他にも、このＭＧで揉まれ（苛められ？）、
その後、成長した技術者は枚挙にいとまがない。

また「百式」を開発した、Ｍ・ナガノ博士や、
「ジ・Ｏ」開発時にシロッコをサポートした、Ｍ・コバヤシ博士。
「イプシィガンダム」を開発した、オダマサン教授。
ＡＥ本社会長室室長、カワグ・チ・メイジン。
等々が、チームＭＧを支援（ちょっかい？）していた。笑

ＡＥ社でも、かなりアウトロー的な集団であったチームＭＧは、
先ず『Ｚプラス』というヒット商品を、世に送り出す。

Ｚガンダムの再設計・量産型ＭＳとして位置付けられる機体であり、
Ｚガンダムの40％の価格で、120％の満足度という意味合いで
『４０！？１２０！！！』（フォーティー？ワンハンドレッドトゥエンティー！）
というキャッチコピーの下、高セールスを樹立した。

この功績により、ＡＥ社はチームＭＧの兼ねてからの目標である
『最強のガンダムを造る』にＧＯサインを出した。

しかし、とはいってもＡＥ社は、
ＺＺガンダムの開発コストの１／３の予算しか、チームＭＧに承認しなかった。

『アイツら、特にア・サノーは予算でアイドルグループを開発室に呼びそうだろ？』

と、ヒューカーバイン会長は、カワグ・チ・メイジンに呟いたそうだ。

しかし、行動力のカタマリであるア・サノーは、予算額に落胆もせず、
メンバーに次々と指示していった。

●ジェネレーターは大きい奴４個つけりゃイイジャン！
ＺＺガンダム自体の開発の遅延と、開発費の高騰した原因の一つは
高々出力且つ超コンパクトなジェネレーターの開発が

遅々として進まなかった事である。
ア・サノーは既存の大きくとも出力のあるジェネレーターを
両脚と両肩に計４其組み込ませ、要望スペック値をクリアさせた。

●武装は今ある奴でイイジャン！
Ｓガンダム内臓のインコムは「ドーベンウルフ」の物の拡張流用。
ビーム・スマート・ガンは「Ｚプラス」の物の拡張流用。
Ⅰフィールド・ジェネレーターは「ビグザム」の物の拡張流用。
既存武装を上手く応用、流用することで開発時間とコストを削減する事に成功した。

●大きくてもイイジャン！カッコいいし！
ガンダムタイプＭＳが好きなマニアなら分かると思うのだが、
結局Ｓガンダムの各部位やランドセルやビームサーベルは、
大きくする事で要望スペック値をクリアしているのだ。
これはダウンサイジングしても高出力という技術革新の流れを無視し、
パワーはあるが、容積の大きい物をそのまま使うという荒業である。
こうする事により、コスト削減を実施し、限られた予算を有効に使った。

だだし、ア・サノーは、何でもかんでもコスト削減した訳ではない。
Ｈ・カトキ博士に、Ｓガンダムの各部位の徹底的なモジュール化を行わさせた。
そして、そのムーバブル・フレームに関しては、
後の開発者に『芸術』とまで言わせしめる程、洗練したものを追求、具現化させた。

そして、忘れてならないのは、
初代ガンダムに搭載されていた『教育型コンピューター』の発展進化版ＡＩ
『Advanced Logistic&In-consequence Cognizing Equipment』
通称『ＡＬＩＣＥ(アリス)』である。
この女性人格ＡＩ（笑）に関しては、ルーツ博士に一任していた様であるが。。

このＳガンダムの開発には、異例な数の関係者が携わった。
ア・サノーの行動力の賜物と言えるであろう。

ヒューカーバイン会長への追加予算要求直訴の為、
ア・サノーが、当然アポ無しで会長室に怒鳴り込んできた時は、

『こいつ、コペルニクス・クレーターの外縁に埋められるなって、真剣思ったよ。笑』

とカワグ・チ・メイジン。

民明書房刊：「あさのまさひこ氏、今何やってんねん」著作デ・アヒロー