さて、【気筒休止】
ダイムラークライスラーは発売したセダン「クライスラー300C」に
安定走行中にエンジンの気筒の半分を止めてしまう【気筒休止】というシステムを取り入れ販売。
販売成績も好調との事。
気筒休止システムとは、エンジン負荷が小さい状態では
シリンダー内にゆっくりと空気が入り、
ガソリンを燃やして作ったエネルギーの一部を使って排ガスを強く押し出す。
その分のエネルギーが無駄になる。
そこで何本かのシリンダーを止めて残りのシリンダーの負荷を高めると、
動いているシリンダーに入る空気と出る排ガスの圧力差が小さくなり、無駄を削減できる。
300Cでは高速道路等の安定走行時にECUがV8エンジンの1列目右シリンダー、
2列目の左、3列目の左、4列目の右とシリンダーと計4本を止め、燃費を10~20%向上させる。
通常V型エンジンは、両側の気筒が動いて振動を打ち消し合う。
そこで気筒休止の状態でも左右交互に動く気筒を残す事により、振動を極力抑えている。
気筒休止の開始や解除に掛かる時間は0.04秒。
休止時もシリンダー内の温度を継続的に測定し、
温度が下がってくると一時的に気筒休止を解除する。
シリンダーが冷えて再始動時に振動が起きるのを防ぐためである。
日本メーカーでは、ホンダが気筒休止を採用している。
V6エンジンの片側3気筒を止める方式である。
ホンダはエンジンをボンネット内に横置きしているため、
進行方向の前後のシリンダーでは元々負荷が異なる。
安定走行時には、負荷の軽い後部シリンダー3本を止め、燃費を10~15%向上させた。
振動の問題はエンジンを台に載せ、ECUにてエンジンの振動に合わせて台を電気的に動かして
振動を抑えた。更に振動と逆位相の波を客室内に流し振動音を消している。
(アクティブコントロールエンジンマウント)&(アクティブノイズコントロール)
更にホンダは、気筒休止エンジンのコストダウンを進め、
ハイブリッド車のエンジンとして搭載する計画を実施している。
車を外から見ただけでは分からないが、
ボンネットの中では凄い技術革新が繰り広げられていますね。
6気筒のエンジンが、自動的に3気筒だけ動かし、燃費を抑えるとは
地味ながら、凄い技術力ですし、是非、ハイブリット車のエンジンにも
気筒休止システムを装着して更に、効率の良いエンジンを作って欲しい。
他にも日産では、あの【カルロス・ゴーン】をして「ベリーグッド」と賞賛した
ガソリンエンジンの基本構造を刷新したシステムも開発されました。
それはまた次回報告。
http://www.honda.co.jp/news/2003/4030618-inspire.html
http://www.auto-g.jp/news/200501/31/newcar01/