道立林業試験場は、普通のマツに比べ、 二酸化炭素(CO2)の吸収率が最高で二割も高いマツの新品種を開発した。 カラマツとその近縁種のグイマツを交配したもので、病気や食害にも強いという。 挿し木による増殖も順調に進み、今秋にも道内の山林への植林が実現しそうだ。 来夏、胆振管内洞爺湖町で開かれる主要国首脳会議(サミット)の主要テーマの一つが地球温暖化問題。 それだけに、関係者は「温暖化防止に有効なCO2抑制策としてPRできれば」と意気込んでいる。 マツの中でこれまで、「父親」にカラマツ、 「母親」にグイマツを持つ「グイマツ雑種F1」という品種が、 CO2吸収率の高い種類として知られていた。 この品種は、父母の組み合わせによって約百二十種あり、 道立林試は、この中から特にCO2吸収率の高い二十一種を選び出し、二○○三年から研究を開始。 具体的には、採取した組織をエックス線で撮影し、 CO2の分解能力を示す炭素含有量と、成長の早さを分析。 その結果、「中標津5号」と呼ばれるグイマツを母親にしたグイマツF1のCO2吸収率が 最も優れていることを突き止めた。 吸収率は道内で多数見られるカラマツと比べ、7-20%も高かった。 中標津5号を母親に持っていれば、父親がどんなカラマツでも、 高いCO2吸収率を有することも分かった。 道立林試は○六年、挿し木による増殖に着手。 北見や帯広など十二の種苗生産者に苗木を分け、現在、合わせて二万本の苗木が育っている。 早ければ今秋から、希望者が所有する山林への植林を開始する計画だ。 また、グイマツF1には野ネズミが嫌う成分が多く含まれるとみられ、食害が少ないのも特徴。 スギやカラマツなどの造林事業では、 食害による目減りを考慮して一ヘクタールあたり約二千本植えるが、 グイマツF1は五百本ほどで済むという。 道立林試林業経営部の黒丸亮・主任研究員は 「新品種の苗をどんどん増やし、数年後には年間十万本ペースで売れるようにしたい。 林野庁など国レベルの後押しがあれば、サミットでも北海道の取り組みとしてPRしたい」と、 抱負を語る。 画像は、グイマツ「中標津5号」の苗木。 これとカラマツをかけ合わせると、CO2の吸収率が最も優れたマツができる。 北海道新聞 05/05 07:17
いや~。イイとこだらけのマツですね~。
サミットでも頑張って宣伝して下さい~。
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