九州大が独自に開発した小型風車を使った風力発電で地下水をくみ上げ、 中国の砂漠緑化を目指す日中合同プロジェクトが1月に中国内陸部で始まる。 効率が良く、移動が容易な九大の小型風車を活用し、 強風が期待できる辺境地の砂漠で2年後をめどに灌漑(かんがい)システムの構築を目指す。 研究グループは「中国の砂漠化の進行は大気汚染をもたらし、日本にも影響する。 砂漠の風を利用して深刻化する環境破壊に歯止めをかけたい」としている。 ■3日に輸出 2年で実用化目指す プロジェクトには新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が 2006年度から2年間で約1億4000万円の援助を決定、 1月3日に風車13台を博多港から輸出する。 参加するのは、日本側が、つば付きの集風式小型風車「風レンズ風車」を開発した 大屋裕二・九大応用力学研究所教授(風工学)ら。 中国側が、太陽光など自然エネルギー研究に取り組む張興・清華大(北京市)教授ら。 大屋教授らによると、中国では電力需要の拡大を受けて欧米企業による 大型風車(1000キロワット級)を使った発電が活発化。 ところが、砂漠地帯では、装置を搬入する交通網や送電線などのインフラがないため 設置が難しかった。一方、従来の小型風車は発電出力が低いなどの難点があった。 大屋教授らは、03年に500ワット級風レンズ風車を開発、 06年には1キロワット級(直径約1.4メートル)の実用化に成功した。 06年3月まで九大助教授だった張教授がこの小型風車に着目、 甘粛省蘭州市周辺での共同研究を呼び掛けた。 研究グループは3月まで、清華大の研究施設で約1万平方メートルの灌漑システムのモデルを造り、 風車の性能試験を実施。4月以降は風車を実際に砂漠地帯に設置して、 地下10メートル付近にある水脈から水を吸い上げ、約半年間、灌漑に取り組む。 将来、風車をさらに大型化して発電出力を高めるほか、 太陽光エネルギーなど別の自然エネルギーと組み合わせて発電量を安定化。 電力網のない小規模な集落での独立電源とする方策も探る。 画像:九大が独自に開発した「風レンズ風車」(3キロワット級)と大屋裕二教授=福岡県春日市 2007年01月01日17時08分 西日本新聞朝刊
いや~。中国の環境悪化は日本にも悪影響を及ぼす…
『親切は他人の為にあらず、回りまわって自分の為。』
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