資源枯渇が心配される冬の味覚・ズワイガニ(越前ガニ)の稚ガニを万単位で生産する技術の確立に
独立行政法人「水産総合研究センター・小浜栽培漁業センター」(福井県小浜市泊)がめどをつけた
水温や餌の工夫を重ねて生存率を高め、今年初めて、約1万8千匹の量産に成功した。
世界的にも例がない成果といい、稚ガニの放流・増殖への道筋をつけたいとしている。
日本海沿岸のズワイガニの漁獲量は70年の1万5千トン余りをピークに、
近年は4200トン(05年度農林統計)ほどに激減。
小浜栽培漁業センターは84年から、ズワイガニの種苗生産に取り組んでいる。
セイコガニ(雌)から1~3月に孵化(ふか)した幼生「ゾエア」は、
2回脱皮して形がカニに近い「メガロパ」に育ち、
生まれて約2カ月で体長1センチほどの稚ガニに成長する。
当初、大型水槽による飼育から試みたが、死んでしまう幼生が多く生存率はごくわずかだった。
そこで94年ごろから、ビーカーなど容器を使った基礎研究に切り替え、
飼育条件を様々に変えながら試行錯誤を繰り返してきた。
その結果、海面近くを浮遊するゾエア期には水槽に攪拌機を取り付け水流を起こして自然条件を再現
魚油に多く含まれる2種類の脂肪酸(DHA、EPA)を餌に採り入れる栄養強化法などで、
メガロパへ育つ率が飛躍的に高まった。
海底へ向かう時期にあたるメガロパは、
飼育水温を8~10度に冷やすと稚ガニに脱皮する率が高くなることを突き止めた。
こうして03年ごろから稚ガニの生産量がアップ。
05年には8800匹に達し、今年から大型水槽による量産試験に入った。
5月までにメガロパ6万匹から1万8412匹の稚ガニ生産に成功、量産の目安の1万を超えた。
生存率はまだ30%余りだが、
担当の山本岳男・技術開発員は
「最適水温にした水槽飼育で育てた分だけでみると、率は倍に高まる」という。
現在、体長3~4センチに育っている。
asahi.com 2008年11月29日11時10分
独立行政法人「水産総合研究センター・小浜栽培漁業センター」(福井県小浜市泊)がめどをつけた
水温や餌の工夫を重ねて生存率を高め、今年初めて、約1万8千匹の量産に成功した。
世界的にも例がない成果といい、稚ガニの放流・増殖への道筋をつけたいとしている。
日本海沿岸のズワイガニの漁獲量は70年の1万5千トン余りをピークに、
近年は4200トン(05年度農林統計)ほどに激減。
小浜栽培漁業センターは84年から、ズワイガニの種苗生産に取り組んでいる。
セイコガニ(雌)から1~3月に孵化(ふか)した幼生「ゾエア」は、
2回脱皮して形がカニに近い「メガロパ」に育ち、
生まれて約2カ月で体長1センチほどの稚ガニに成長する。
当初、大型水槽による飼育から試みたが、死んでしまう幼生が多く生存率はごくわずかだった。
そこで94年ごろから、ビーカーなど容器を使った基礎研究に切り替え、
飼育条件を様々に変えながら試行錯誤を繰り返してきた。
その結果、海面近くを浮遊するゾエア期には水槽に攪拌機を取り付け水流を起こして自然条件を再現
魚油に多く含まれる2種類の脂肪酸(DHA、EPA)を餌に採り入れる栄養強化法などで、
メガロパへ育つ率が飛躍的に高まった。
海底へ向かう時期にあたるメガロパは、
飼育水温を8~10度に冷やすと稚ガニに脱皮する率が高くなることを突き止めた。
こうして03年ごろから稚ガニの生産量がアップ。
05年には8800匹に達し、今年から大型水槽による量産試験に入った。
5月までにメガロパ6万匹から1万8412匹の稚ガニ生産に成功、量産の目安の1万を超えた。
生存率はまだ30%余りだが、
担当の山本岳男・技術開発員は
「最適水温にした水槽飼育で育てた分だけでみると、率は倍に高まる」という。
現在、体長3~4センチに育っている。
asahi.com 2008年11月29日11時10分