F1を統括するFIA(国際自動車連盟)と自動車メーカー各社はF1をより経済的に、より環境にやさしく、 より一般のドライバーとの関連性を増すようにするため、バイオ燃料エンジンの導入を含め、 2011年から導入される大規模な技術的変更について議論を進めている。 現地時間(以下、現地時間)18日、『ロイター』通信などが伝えている。 FIAのスポークスマンは、18日パワートレイン(動力伝達装置)のレギュレーションに関する審議書類を 先週すでにF1製造者顧問委員会に送ったと語った。 パワートレインとは、マシン上でパワー(動力)を発生し、路面に伝える装置で、 エンジンやギアボックスなどが含まれている。 委員会にはF1に参戦するすべての自動車メーカー ルノー、BMW、ダイムラー・クライスラー傘下のメルセデス、フェラーリ(フィアット)、Hondaと トヨタの6社に加え、さらにフォードとフォルクス・ワーゲン-アウディ・グループも名を連ねており、 来月6月に開催される予定だ。 FIAは提案書類についての詳細を明らかにしていないが、 イギリスのモータースポーツ専門誌『F1 Racing』6月号はその内容について、 バイオ燃料を使用する2.2リッターV6ターボエンジンに変更し、最高回転数を10,000rpmに制限し、 出力は約770馬力、また1エンジンで5レースを走行すると伝えている。 バイオ燃料とは、穀物などを原料とする二酸化炭素排出量の少ないエネルギー資源で、 ガソリンなどの石油燃料に替わる新たなエネルギーとして注目を集めている。 現在の2.4リッターV8エンジンは、最高回転数が19,000rpmに制限され、 1つのエンジンで2レースを走ることが義務づけられている。 2年前の2005年までは、より燃料消費量の大きい3.0リッターV10エンジンを使用し、 最高回転数は20,000回転に達することもあった。 FIAのマックス・モズレー会長は、 「将来において、F1にしか関連のない研究開発は行なわれなくなり、 市販車開発との関連性が促進されることを確実にするため、 我々は主要なメーカーと活発な議論を行なっている。 そのような取り組みは、参加している各メーカーから幅広い援助を受けていると理解しているし、 ほとんどのメーカーが開発している最新の環境関連技術が、 我々の優先事項となっていることを確実にするため、彼らと緊密に作業している。 この目標を達成することを目指しつつ、F1のスポーツとしてのスペクタクル性は、 新しい技術開発によってこれまでと同じように残されるか、 さらによくなっていくだろうと確信している」と展望を語っている。 変更が必要とされる主な理由は2点。 第1は、「参加チームのためにより低コストでより健全な商業的展望を作り出す」ことで、 第2は「環境についての一般的な関心に対応する必要がある」ことである。 以上のような変更を推し進めつつも、 「ファンのために、F1の持つ心情的な魅力を損なうことを避けること」が今後の主な制約でもあり、 「F1とその圧倒的なスピードが持つ技術的な尊敬」を維持することも重要となる。 排気量と最高回転数の変更、特に多くのF1ファンを引きつけるエンジン音が変わることになれば、 これからの論争の的となるかもしれない。 5月20日17時50分配信 ISM
上画像は、今年のホンダのカラーリング。
下画像は、ターボーチャージャーのカットモデル。赤い部分に排気が導入され、
青い部分で吸気が圧縮される。
下画像は、ターボーチャージャーのカットモデル。赤い部分に排気が導入され、
青い部分で吸気が圧縮される。