米空軍研究所は18日、 NASAと共同研究を進めてきたX-53実験飛行機(写真上)を実用化する方針を明らかにした。 空軍が関与したXシリーズの実験飛行機が実用化されるのはスペースシャトルの前身となった X-24リフティングボディー以来の出来事となる。 このX-53は一見、ごく普通の航空機に見えるが飛行機史上、 もっとも革新的な設計方針を取り入れた機体となる。 ほとんど全ての航空機の主翼にはフラップとエルロンが付いており、 それらを動かすことにより浮力や傾きを操作している。 しかし、史上最初の航空機となるライト兄弟のフライヤー号には 実はフラップもエルロンも付いておらず、 主翼全体をねじることによってフラップやエルロンと同じ操作を行っていたのである。 フラップやエルロンは主翼の途中から鋭角的に角度を変えて 主翼に伝わる空気の流れを強引に変えるために空力的な大きな抵抗要因ともなる。 また、構造的には空力抵抗に押し勝つだけの強さを持たせる必要がでてくるために、 翼全体の重量が増す要因ともなる。 NASAと空軍研究所の研究者は100年以上前に初飛行に成功したライト兄弟の航空機の原理に 一度立ち返ることによって、フラップやエルロンを操作する変わりに主翼全体をねじることによって 同じ機能を持たせることができないかと考えて作り出したのが、このX-53となる。 X-53の場合、主翼を最大5度までねじる(画像下)ことが可能となり、 このねじれによってフラップやエルロンを操作したのと同じ効果を持たせることができるとしている。 NASAではまた、ねじれ型の主翼を用いると構造的に一般型の主翼よりも 20~30%重量を軽くすることができ、その分、燃費効率も高まると述べている。 今後、このX-53での実験成果は現在、 ボーイング社の研究部門「ファントムワークス」が開発を進めている ブレンデッド・ウィングを用いた航空機の設計にも活かされる予定だ。 写真上は2003年2月7日に撮影された飛行中のF/A-17A X-53の模様。 この写真ではエルロンを操作しているが、 実際にはエルロンなしでも機体の操作が可能。画像を拡大する 2006 12/20【テクノバーン】いや~。ハイテクと思いきやフライヤー1号と同じ原理なんですね~。
先祖がえりと言いますか…