米航空宇宙局(NASA)は29日、
音速を超える高速で飛び、騒音や燃料の消費が少ない
革新的な次世代旅客機「X(エックス)プレーン」の開発に乗り出すと発表した。
2020年ごろ試作機を開発し、試験飛行を目指すという。
NASAによると、
航空大手ロッキード・マーチン社などの開発チームに
2千万ドル(約22億円)を投じ、約1年半で基本設計を取りまとめる。
ボールデン長官は、
約70年前に米国が世界に先駆けて有人超音速飛行に成功したことに触れ、
「我々はいまも超音速機のレガシー(遺産)を引き継いでいる」などと述べた。
NASAは今後10年をめどに、従来の航空機の設計にとらわれず、
燃費や安全性を高めた複数の「Xプレーン」の試験機開発などを構想している。
主翼と機体が一体化したようなデザインや、
長くて幅が狭い主翼を持った機体、
従来のジェットエンジンと異なる仕組みで推進力を得る新システムなど、
様々な可能性が検討されている。
超音速旅客機は、
03年まで英国とフランスが開発したコンコルドが
最大速度マッハ2(音速の2倍)で運航していた。
だが、音速を超えると発生する衝撃波による騒音問題や燃料費や
維持費がかさみ、00年に起きた墜落事故の影響もあって運航を停止した。
通常の大型旅客機は、時速約900キロ前後(マッハ0・8)で運航している。