海洋研究開発機構は29日、地球深部探査船「ちきゅう」(5万7000トン)で今夏、 青森県・下北半島沖で試験掘削を始めると発表した。 船から水深1200メートルの海底へパイプを延ばし、 さらに海底下約2200メートルまで掘り進める。科学的調査の掘削では世界最深という。 科学掘削ではこれまで、アメリカの探査船が記録した約2100メートルが最深だった。 「ちきゅう」は、海底下約7000メートルまで掘る世界最高の能力を持つ。 来年以降、マントルの上部から岩石などの試料を採取し、 地球内部の構造から地震発生メカニズムの解明などを目指す計画だ。 昨年完成した同船は建造費約600億円の「浮かぶ研究所」。 下北半島沖の海底下には、 次世代のエネルギー資源として期待が高い「メタンハイドレート」が存在する可能性があるという。 同機構は「今回は資源探査が目的ではないが、見つかることを期待している」。 2006年06月30日 asahi.com