deahiro’s blog

ネットの場末で、ひっそりと。。

市民風車の事。

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36万9000キロ・ワット。東北6県の風力発電総出力の規模だ。全国の40%を占める。
しかし、発電事業者の多くが東京の商社やエネルギー関連企業。
地域に売電の収益は還元されず、地元との縁は薄い。
一方で、市民からの出資で運営される「市民風車」が注目を集めつつある。

風力発電を推進する国は2010年までの導入目標を、
現在の約3倍、300万キロ・ワットとしている。
06年2月末現在、全国の風車は950基。
北海道の194基が最多で、青森県137基、秋田県83基と続く。
資源エネルギー庁は「日本海からの風に恵まれ、土地もあり、潜在力は高い」
と東北地方に期待を寄せる。

年々増え続ける風車だが、「向かい風」も吹く。
東北電力は04~05年度、新規の買電契約を休止した。風力発電は天候で発電量が変動するためだ。
03年4月、新エネルギー等の利用に関する特別措置法(RPS法)が施行され、
電力会社には、クリーンエネルギーの買い取りが一定割合で義務づけられた。
同社も年間4億6000キロ・ワット時の義務量が課せられたが、
風力発電の先進地ゆえに、既に20億キロ・ワット時以上を受電していた。

同庁は発電量の変動対策に蓄電池の設置が有効として、06年度から新たな補助制度の導入を決定。
同社では3月22日、仙台市の本店ビルで2年ぶりに新規契約説明会を開いた。
2年前と同規模の約100事業者が集まったが、
蓄電池設置費などは事業者負担となることが説明された。
東京の商社は「将来大きなチャンスにつながる」と意に介さなかったが、
「門戸は開かれたがハードルが高くなった」と不満げな事業者もいた。

一方で風車ビジネスに、市民の視線が熱を帯び始めている。
市民からの出資で建設する「市民風車」が今年3月、秋田市で2基完成した。
昨冬、自然エネルギー市民ファンド(東京)がこの2基を含む計5基への出資を呼びかけたところ、
目標額の計8億6000万円が予定より1か月早く集まり、関係者を驚かせた。

秋田市で普及活動を続ける「市民風車の会あきた」の原田美菜子代表(35)は、
市民の理解が着実に広がっていると指摘する。
愛称を付けようと応募する子どもが増え、廃品回収で集めたお金を出資し、
返還されたお金で車いすを購入した中学校もあるほどだ。

9月には茨城、千葉県で1基ずつ増える見通しだが、全国の市民風車はまだ8基。
原田さんは「秋田をはじめ風に恵まれた地域は多い。地域で新たな人材や企業を掘り起こし、
材料も設置業者も地元産の風車建設を目指したい」と話している。(秋田支局 鈴木幸大)

投資派、環境派…様々
風車1基の設置にかかる総事業費は、出力規模1500キロ・ワットの場合で2億~3億円。
約45%は独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構NEDO)からの補助で賄えるため、
市民風車を建設する際には、残り約55%を市民からの出資で準備する。

出資者には、電気を売って得た収益が分配される仕組みだ。
2003年3月に運転を開始した市民風車「天風丸」(秋田県潟上市)には、
443の個人、法人から計1億940万円が集まり、一口50万円の出資に対し、
05年度までの2期分で、元本返還分と利益分配金で8万8599円が分配された。
元本は保証されておらず、発電能力は風まかせというリスクがあるものの、
順調にいけば契約満了の15年間で約60万円(年利2・3%)が戻ってくる計算だ。

出資窓口の自然エネルギー市民ファンドによると、分配金をあてにした投資目的の出資者は少数で、
「目に見える形で地球のために役立ちたい」「クリーンエネルギーのシンボルを支えていきたい」
などの環境派が多い。「孫が生まれた記念に」「結婚祝いに」など、
ユニークな理由で出資する例もあるという。

画像上:秋田市飯島に今年3月完成した市民風車3号機「風こまち」。
    秋田らしい名前を考えた地元の小学生が名付け親になった
画像中:秋田県潟上市にある市民風車「天風丸」には出資者の名前が刻まれている。
    記念に子どもの名前を希望する出資者も多い

                              (2006年4月8日  読売新聞)

いや~少しずつでも日本に、風力発電は根付いているのでしょうか?
色々な問題はまだまだ、あるのでしょうけど、
孫の生まれた記念で風力発電ファンドってお洒落ですよね~。
孫が高校に行く時に60万円プレゼントできるかも?