日立製作所は2日、 夢の技術とされてきた「循環型エレベーター」の実証実験に世界で初めて成功したと発表した。 2列の昇降スペースを天井部と底部でつなぎ、最大8台の乗りかごが循環運転する。 乗りかごは頻繁に到着するため、 1列1台の乗りかごがそれぞれ上下していた従来型に比べ2.5倍の輸送力を確保できるという。 同じ輸送力なら従来の3分の2のスペースですむ。 高層ビルが増え、エレベーターの輸送力増強や待ち時間短縮のニーズが高まっている。 これまで各メーカーは、高速化や乗りかごを2階建てにする「ダブルデッキ方式」で対応してきたが、 高速化には限界があり、ダブルデッキ方式も片方のかごの 乗降時に他方も停止しなければならないというムダがあった。 循環型は以前から究極の解決策と見られてきたが、 乗りかごを独立して動かす技術開発が壁になっていた。 電磁石で浮かせて自走する「リニアモーター」方式が考案されたこともあるが、 電力消費量が膨大で経済性に難があり、停電時の安全確保が未解決だった。 日立の新技術は20階建て、 乗りかご8台を想定して開発、それ以上の高層の場合は、複数重ねる。 従来型と同様にロープを使うのが特徴で、上下を固定するのでなく、4組のロープを輪にして回す。 各組に対角線の位置に2台の乗りかごを設置し、各組を独立して運転させ、計8台を循環させる。 同一組の2台は同時に動くので、一方のかごが停止したら対のかごも停止するが、 循環するのでダブルデッキ方式より効率的に運転できる。 高さ4メートルの模型での動作実験に成功した。 かご同士が衝突しない制御システムの実証や、 循環式を想定していない建築基準法の改正が必要になるため、販売時期は未定。 日立は「実用化に向けた環境整備を急ぎたい」と話している。【斉藤望】 (毎日新聞) - 3月3日10時23分更新
いや~。誰もが思いついても具現化できなかったエレベーターが出来そうですね~。
さすが、技術大国ニッポンの面目躍如といったところでしょうか。
さすが、技術大国ニッポンの面目躍如といったところでしょうか。