deahiro’s blog

ネットの場末で、ひっそりと。。

『ファントムIIは死なず 退役間近、空自F-4EJ改がF-15Jをバンバン堕としているワケ』の事。


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空自の「ファントムライダー」はいま猛者だらけ
「今、F-4乗りは凄いことになっていますよ。
訓練においてF-15を撃墜(判定)するレベルの猛者ばかりです」

筆者(関 賢太郎:航空軍事評論家)は
航空自衛隊の次世代戦闘機F-35A「ライトニングII」の導入遅れにともなう
F-4「ファントムII」の寿命枯渇問題について、
ある防衛省関係者にF-4の飛行時間節約にともなう
練度低下が問題となっていないのであろうか質問したところ、
以上のような回答を得ることができました。

F-4は1971(昭和46)年に導入された、
2018年2月現在の航空自衛隊において最も古い戦闘機であり、
ステルス戦闘機F-35Aへの更新が予定されている退役間近の機体です。
それにもかかわらず、
200機が配備されている現主力戦闘機F-15との訓練においては
勝利することもけっして珍しくないそうです。

F-4が航空自衛隊の最新鋭戦闘機だった1970年代、
百里基地とF-4のパイロットらの活躍を描いた『ファントム無頼』という
人気漫画があり、作中において主人公らは
当時米空軍の最新鋭機であったF-15を訓練で撃墜するといった
エピソードがありました。
2018年2月現在、航空自衛隊には戦闘機飛行隊2個、
偵察飛行隊1個の推定約40機程度F-4が残っており、
そのすべてが百里基地に配備されていますので、
思わず「いまになって『ファントム無頼』かよ」と笑ってしまいました。

きっかけはF-35
なぜ、いまF-15を撃墜するといった「下剋上」を成せる
F-4のパイロットが増えているのでしょうか。
その秘密はF-4が退役間近であるという事情に関係しているようです。

航空自衛隊ではすでにF-35の導入を開始しています。
数がそろい実働体制に入るにはもう数年必要となる見込みです。
逆を言えばF-35がそろうまでの猶予が
F-4に残された現役期間となるわけですが、
もう先が長くない機種であるため、
新人パイロットのF-4への機種転換は不要であり、行っていないといいます。

本来は組織の構成員が年にひとつずつ平均年齢を加算してゆく状況は
避けなくてはなりませんが、F-4の飛行隊では
ベテランらが新人を育成する負担から解放され
戦術研究に集中できるため、全体の練度を底上げしているそうです。

また私見ですが、F-4は複座戦闘機であり
通常はベテランと新人がペアを組み経験を積ませるところ、
現在は前後席ともにベテランであるという点も
F-4の戦闘能力向上のひとつとなっているのではないでしょうか


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ファントム下克上、もうひとつのワケ
さらに、このF-4によるF-15撃墜にはもうひとつのカラクリがあります。

2018年現在、実戦部隊に配備されているF-4は
すべて「F-4EJ改」という性能向上型であり、
レーダーは初期型F-16のレーダーと同型であるAN/APG-66Jに
載せ替えられています。
そのほかの電子機器も一新、機体外部に搭載する電波妨害装置は
これもまたF-16にも搭載されることがあるAN/ALQ-131です。

一方でF-15は、近代改修を受け現代型戦闘機と同等のF-15MJと、
1980年代の導入からほとんど性能向上を受けていないF-15SJの
2タイプに分けられます。
そしてF-4に負けることが珍しくないF-15とはF-15SJであるようです。

現代戦闘機は、電子機器とコンピューターソフトウェアに
優れていたほうが勝利者となります。
F-4EJ改はF-4といえども中身はほぼ初期型のF-16です。
そしてF-15SJも初期型のままですから、F-16(相当) vs F-15であると考えると、
F-4側が戦術の差で勝利できることがあっても
おかしいことではないのかもしれません。

近代化改修でF-4もF-15相当になれるのですから、
この際、退役なんてさせずにもう一度電子機器を再近代化した
「F-4EJスーパー改」を開発し、
あと40年は現役を続けてほしいと思うのは筆者だけでしょうか

ただF-4は構造上の寿命から
かなり腐食が進行している機体も少なくないようであり、
実現の目は無さそうです。残念。







680ナンバーのファントムの事。