「二酸化炭素(CO2)を出さず、枯渇しない究極のエネルギー」とされる水素。
燃料電池車や工場など様々な分野で実用化への取り組みが進むが、
自然界に単体ではほとんど存在しない水素をどう供給するかが悩みの種。
そこで、パンの切れ端から水素を作ってはどうだろう――。
そんなプラントが、広島県北広島町のタカキベーカリー(広島市)の工場にある。
広島大の協力で同社とサッポロビール、島津製作所などが設置した高さ約5メートルの発酵タンク。
ここにパン工場で余った生地を入れると、微生物がでんぷんを分解して水素の泡が出る。
パン1キロで約200リットルの水素を生み出す。
「食品廃棄物から水素を作る技術の工業化を目指す大規模プラントは世界初」。
そう胸を張るのは、6年前から研究を続ける
サッポロビール価値創造フロンティア研究所研究主幹の三谷優さん。
現在、国内で製造される水素の大半は石油や天然ガスから分離しているが、
この方法はCO2が生じる。水からも分離できるが、多くのエネルギーが必要だ。
微生物の力で取り出せば、化石燃料もエネルギーもほとんど使わずにすむ。
コスト高と大量生産に不向きという課題は残るが、
9月に視察した斉藤環境相は「水素社会を作る上で発展性のある技術」と評価した。
高校時代に石油危機を体験し「エネルギー問題で社会に役立つことが夢だった」という三谷さん
全国の排水処理施設から汚泥を取り寄せ、水素を作る力の強い微生物を探し当てた。
「ビール会社の発酵技術で環境に貢献する時代がきた。
2010年代前半には一般の食品工場で、
このプラントが燃料電池とともに導入されるよう頑張りたい」
2008年10月20日 読売新聞
燃料電池車や工場など様々な分野で実用化への取り組みが進むが、
自然界に単体ではほとんど存在しない水素をどう供給するかが悩みの種。
そこで、パンの切れ端から水素を作ってはどうだろう――。
そんなプラントが、広島県北広島町のタカキベーカリー(広島市)の工場にある。
広島大の協力で同社とサッポロビール、島津製作所などが設置した高さ約5メートルの発酵タンク。
ここにパン工場で余った生地を入れると、微生物がでんぷんを分解して水素の泡が出る。
パン1キロで約200リットルの水素を生み出す。
「食品廃棄物から水素を作る技術の工業化を目指す大規模プラントは世界初」。
そう胸を張るのは、6年前から研究を続ける
サッポロビール価値創造フロンティア研究所研究主幹の三谷優さん。
現在、国内で製造される水素の大半は石油や天然ガスから分離しているが、
この方法はCO2が生じる。水からも分離できるが、多くのエネルギーが必要だ。
微生物の力で取り出せば、化石燃料もエネルギーもほとんど使わずにすむ。
コスト高と大量生産に不向きという課題は残るが、
9月に視察した斉藤環境相は「水素社会を作る上で発展性のある技術」と評価した。
高校時代に石油危機を体験し「エネルギー問題で社会に役立つことが夢だった」という三谷さん
全国の排水処理施設から汚泥を取り寄せ、水素を作る力の強い微生物を探し当てた。
「ビール会社の発酵技術で環境に貢献する時代がきた。
2010年代前半には一般の食品工場で、
このプラントが燃料電池とともに導入されるよう頑張りたい」
2008年10月20日 読売新聞