近畿大水産研究所(和歌山県白浜町)は九日、 水槽やいけすなどの人工環境でクロマグロを卵から親まで育てる完全養殖を重ね、 最初の卵から数えて第三世代となる“孫マグロ”を誕生させるのに成功したと発表した。 高級魚として人気が高く、乱獲が問題になっているクロマグロの量産に一歩近づく成果。 熊井英水所長は「国際資源であるマグロが増えるきっかけになれば」としている。 七月中旬に誕生した稚魚は、約二万匹が体長約五センチまで成長。 マダイやイシダイの稚魚を入れてマグロ同士の共食いを減らすなど養殖技術の向上が鍵になった。 今月中旬に水槽から海中のいけすに戻され、成魚まで育てられる。 同研究所は一九七○年から養殖の研究を始め、二○○二年に世界初の完全養殖に成功。 成長した親マグロは一部が市場に出荷されている。 2007/08/10 00:37 北海道新聞