北大大学院水産科学研究院の足立伸次教授の研究グループが十四日、 根室管内標津町の標津サーモン科学館で、 飼育中のダウリアチョウザメから人工授精に使う精子の採取に成功した。 十五日には同研究院で雌の卵に授精させる。 道内のチョウザメの養殖は、オオチョウザメとコチョウザメを人工授精させたベステル種が主流で、 ダウリア種が成功すれば国内初となる。 ダウリア種の卵の塩漬けはキャビアの中でも最高級とされ、 ふ化した稚魚が成熟する十年後のキャビア生産を目指している。 ダウリアチョウザメはロシアのアムール川やオホーツク海に生息し、 成長すると体長五メートルにもなる。 乱獲で数が減り、野生生物の国際取引を規制するワシントン条約の対象になっている。 道内で飼育されているダウリア種は十数匹しかいない。 外見から雌雄の判別が難しく、昨年秋、 足立教授らが科学館の二匹(体長二・一メートルと一・七メートル)を開腹手術し、 ともに雄と確認していた。 十四日は、申東煥(シンドウファン)研究員らが、 あらかじめホルモン注射を施したダウリアチョウザメに、 麻酔をかけ、生殖孔からポンプで精子四百ccを吸い出した。 北大の雌から絞り出した卵に精子をかけ、順調にいけば一週間ほどでふ化するという。 足立教授は 「ダウリア種の産卵は三年に一度しかないので、チャンスは多くない。 ふ化したらキャビアがとれるまで、北大と科学館の両施設で稚魚を飼育したい」と話している。 北海道新聞 2007/05/15 07:36 最高級のキャビア生産を目指し、 ダウリアチョウザメの養殖計画に着手した北大大学院水産科学研究院などの研究グループが、 人工ふ化に成功した。ダウリア種の人工ふ化は国内で初めて。 標津サーモン科学館にいる雄一匹から採った精子を、北大七飯淡水実験所に運び、 十六日に実験所で飼育する雌一匹から取り出した卵約一万個に授精させた。 受精卵の90%以上は死んだが、二十二日から二十四日にかけて、 生き残った卵から約五十匹がふ化した。さらに五十匹程度ふ化するとみられる。 ダウリア種はオホーツク海などに生息、体長五メートルに達する大型チョウザメ。 卵の塩漬けはキャビアの中でも最高級とされる。 産卵は三年に一度で、雌は国内でも七飯の実験所に一匹しかいない。 研究グループは今回の人工授精で数千匹のふ化を見込み、十年後のキャビア生産を目指していた。 同研究院の足立伸次教授は 「水温調節がうまくいかず受精卵の生存率が低かった」と今回の結果を分析。 今後は、ふ化した稚魚を繁殖可能な状態にまで育て、三年周期で人工授精を重ね、 「十数年後にキャビア生産ができる成魚を一万匹ほど確保したい」としている。 北海道新聞 2007/05/25 08:58 画像上:サーモン科学館でダウリアチョウザメの精子をとる研究グループ 画像下:人工授精でふ化したダウリアチョウザメの稚魚
いや~。育って卵が取れればイイですよね~。
良いか悪いかは別にして、今後は水産資源も取るだけでなく、もっと育てていかないと…。
良いか悪いかは別にして、今後は水産資源も取るだけでなく、もっと育てていかないと…。