国立科学博物館などの研究チームは15日、 38年前に福島県内で化石が見つかった首長竜「フタバスズキリュウ」が 新種であることを突き止めたとして新しい学名「フタバサウルス・スズキイ」を発表した。 研究チームは成果をまとめた論文を19日発行の英国古生物学会誌に発表し、 学名が確定、新種として正式に認められる。 フタバスズキリュウの化石は、当時高校生だった鈴木直さん(54)が1968年、 同県いわき市の白亜紀後期(約8500万年前)の地層から発見。 全長6~9メートルで、恐竜と同じ時代に海で生息していた大型は虫類だ。 化石が見つかったのが「双葉層」と呼ばれる地層だったため、 「フタバスズキリュウ」と和名が付けられた。 首長竜の中でも首が長い「エラスモサウルス類」に属することは分かったが、 首長竜の研究が世界的に遅れていたことなどから新種かどうかの判断がなかなかできなかったという。 同博物館の佐藤たまき研究員らの研究で、 目と鼻の穴が離れている▽鎖骨周辺の骨の形が独特 ▽手足のひじから先やひざから先にあたる部分の骨が比較的長い――など、 約10カ所の特徴から新種であると断定した。 日本で首長竜の新種が見つかるのは初めて。 学名の「スズキイ」の「イ」は、ラテン語で人名を表す表現。 【永山悦子】(毎日新聞) - 5月15日21時7分更新