カブトガニ:日本最大級か 長崎・九十九島で発見 長崎県佐世保市の九十九島海域で見つかった 日本最大級のカブトガニ=西海パールシーセンター水族館提供 西海国立公園内にある長崎県佐世保市の九十九島(くじゅうくしま)海域で、 頭から尾の先までの全長が79.5センチある雌のカブトガニが見つかった。 カブトガニは「生きている化石」と呼ばれ、 生態を研究している岡山県笠岡市立カブトガニ博物館によると、国内最大級とみられる。 19日、底引き網漁船の網にかかり、 九十九島の調査研究をしている西海パールシーセンター水族館に届けられた。 甲羅の横幅は35.3センチ、重さは5キロ。 カブトガニ博物館が国内で確認している最大個体は全長約63センチ、重さ約3.5キロ。 博物館の惣路紀通・主任学芸員は「今回の個体が最大個体である可能性が高い」と指摘した。 博物館によると、カブトガニは節足動物で、主に海水と淡水が混じる「汽水域」に生息する。 近年は環境破壊や水質汚染から汽水域が減り、それに伴い個体数も激減。 笠岡湾はカブトガニの生息地として国の天然記念物に指定されている。 大学教授や市民でつくる「日本カブトガニを守る会」(笠岡市)の土屋圭示会長は 「自然が破壊されていない九十九島だからこそ、これほど大きく育ったのだと思う」と話している。 【倉岡一樹】毎日新聞 2005年11月22日 9時23分