deahiro’s blog

ネットの場末で、ひっそりと。。

海洋温度差発電はどうなったの事。

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「海洋温度差発電」その名の通り、海(海水)の温度差で発電するというものです。

実は海水は、上の方(表層部)と下の方(深層部、約1000m)では、ずいぶん温度が違う。
上の方は温かいが、下の方は冷たい。
理論上は、この温度差が5度以上あれば、発電が可能で、
15度以上あれば経済的に成り立つと考えられている。

その仕組みは
(1) 上の方の温かい海水で、沸点の低いアンモニアを蒸発させる。

(2) そのアンモニアの蒸気でタービンを回して発電する。
  (タービンを回して発電する点では、火力発電も原子力発電も同じ。
   大きなやかんに入った水を熱で沸騰させて、
   発生した蒸気の勢いでタービンを回すイメージ。
   ただし、用いる液体は原子力発電(軽水炉)、火力発電では水だが、
   海洋温度差発電ではアンモニアを使用。
   ちなみに、「タービンを回す」というのは
   自転車を漕いでダイナモを回す場面を想像すると分かりやすい)

(3) その後、下の方の冷たい海水をくみ上げて、
  気体になった状態のアンモニアを冷やすとアンモニアは液体に戻る。

(4) 再び上の方の温かい海水でアンモニアを蒸発させる…。

この一連の過程を繰り返すことで、発電し続けるという夢のような方法だ。

海洋温度差発電に利用できる海域を、関係者は「油田」と呼んだりする。
温度差によるエネルギーを油にたとえると、温度差のあるところは「油田」というわけだ。

 海に囲まれた日本は、エネルギー大国になる可能性を秘めている。
 
しかも、こんな単純!?な方法である上に、他の発電に比べ、メリットが驚くほど多い。

(1) 燃料がいらない!
 海水が熱源なので、燃料はまったく要らない。
 必要なのは、設備の初期投資とメンテナンス、そして時々補充するアンモニアくらい。

(2) CO2がほとんど出ない!
 海水を使うだけなので、排出されるCO2はほとんどゼロ。
 CO2が比較的少ないといわれるLNG火力発電と比べても、40分の1という。

(3)「副産物」が多い!
 1. 海洋温度差発電で使った海水から簡単に真水を作ることができる。
 2. 作った真水を電気分解して水素を作ることができる。(おなじみ燃料電池の燃料)
 3. 深層の海水はミネラル分を豊富に含むため、ミネラルウォーターや化粧水などに利用できる
   (これまたおなじみ海洋深層水)
 4. また海洋深層水はミネラルを豊富に含んでいて、魚の餌になるプランクトンの発生を促すので、   くみ上げた海洋深層水を海中にまくことによって魚を集め、漁場を人工的に作ることができる!

(4) 100カ国くらいで発電可能!(経済的に見ても成立するという)
 
「海水に15度以上の温度差のある国は100カ国くらい」あり、
「世界の国の半分くらいで、この海洋温度差発電ができる」と、佐賀大学の上原春男学長は言う。

 海洋温度差発電はエネルギー問題のみならず、環境問題、水問題、食糧問題、
 さらには人口問題にまで貢献できる可能性を秘めている。

世界的に見ると、インドが実際にこの海洋温度差発電に着手していて、
1000kWの発電装置が既に完成している。

また、水不足に悩む砂漠の国、サウジアラビア
エネルギー資源の乏しいパラオなどの太平洋の島国やフィリピンなどが
海洋温度差発電に積極的で、実現に向けた調査が進められている。 。。

一日も早く、この技術が日本のエネルギーの一翼を担う日が来てほしいと願うばかりだ。

これはホントに見逃せません!
http://www.tv-asahi.co.jp/n-station/news/hiraishi/frmain.html

という上記の記述の内容は、久米宏氏がされていたニュースステーションで、
2003 8/14に放送されました。。。
当時、生放送で内容を見た私は、
「めっちゃ凄い技術やなぁ~。日本は、深い海に囲まれているから、
 温度差発電所たくさん作ったらエネルギー大国になれるでぇ」とか
「別に海じゃなくても、温泉地とか、都市部の温排水とか使ってもできるなぁ~」
って期待しているんですが。。。

あまりこのところ、温度差発電の華々しいニュースを聞いておりません。。。

ウエハラ・サイクルって凄い技術と思ったんですけど。。。資金難?


また、色々なエコロジー発電もこのブログで紹介していきます。