deahiro’s blog

ネットの場末で、ひっそりと。。

『洋上に浮かぶ高さ1000mのタワー都市』の事。

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2025年、赤道直下の太平洋上に、
高さ1000mのタワーに3万~5万人が住む巨大な人工島が出現する――。
こんな夢のようなプロジェクトが進んでいる(図1)。
名付けて「環境アイランド・グリーンフロート」。
電気通信大学など全国14大学でつくるスーパー連携大学院協議会と
清水建設野村証券が実現に向けて協定を結んだ。
今後、技術開発や資金調達などのテーマごとに研究会を立ち上げていく。

グリーンフロートのコンセプトは「植物質な都市」。
地球温暖化や省エネ、廃棄物といったさまざまな環境問題を、
海上に浮かぶコンパクトな都市を新たに造ることで一挙に解決するのが狙いだ。
この都市は、直径3kmの円形の人工地盤と、その上に構築する逆円錐形のタワーから成る(図2)。
これを一つの「セル」とし、セルをつなぎ合わせることで都市を次々に増やしていける仕組みだ。

タワーの上部、具体的には標高700~1000mの部分が居住・業務ゾーンになる。
逆円錐形になった外周部の直径は約1kmで、30階建てになっている。
ここに1万戸の住居や公園を割り当てる。
そしてタワーの中心部を1万人が働くオフィスや商業施設などにする(図3)。
基本的に歩いて移動できる。

タワーの標高700m以下の部分は、広さ260万平方kmの植物工場で、野菜を育てる。
人工地盤上は主に農地や熱帯雨林にする。
ここではオーガニックバイオ農法で三毛作をし、牛や豚を飼う。
海辺には魚介類や藻類の養殖場も設ける。
居住部分などで発生する二酸化炭素生ゴミ、排水を回収し、植物工場の栄養源にする。

紙ごみなどはバイオマスエネルギー転換装置でメタノールなどに変える。
太平洋上には約1億トン分の漂流物が浮遊しているといわれ、それも回収して資源にし、
自給自足を目指す。グリーンフロートは潮流を利用して赤道付近を回遊する。

施工方法にも驚きの工夫
最大の特徴は「CO2排出量ゼロ」。
使用する電力は、静止軌道上の宇宙太陽光発電システムや海洋温度差発電、
波力発電の自然エネルギーで賄う。
上空1000mともなると気温が1年中26~28度で安定していて過ごしやすいため、
空調などに多くのエネルギーを消費せずに済むという。

海洋温度差発電でくみ上げた深層水の冷熱も取り込む。
温水は太陽熱でつくり、
日射で熱すれば繰り返し使えるデシカント(乾燥剤)を使ったデシカント除湿で湿度を調整する。
水も、雨水をためて、飲料水や植物向けなど多段階で活用する。
開発中のものを含め、あらゆるエネルギー・環境技術を詰め込んだ。

人工地盤は六角形のユニットを集めて造った蜂の巣状の構造体(ハニカム)を結合して造る。
コンクリート製のハニカムは幅20m、高さ50mを想定している。
タワーの構造材は海水から抽出・製錬できるマグネシウムを材料にする。
海水800トンから1トン採取できるマグネシウムはアルミニウムより軽い。

施工方法も工夫している。
骨格となる構造物を人工地盤上で組み立てて、その層ができたら海中に沈めて、
その上の層を組み立てる。
この作業を繰り返し、すべてが組み上がったら、
海水の浮力を利用してタワーを空中へと持ち上げる。
すべての作業を人工地盤上でこなせるので、安全な上に作業効率も高いという。

計画を推進する清水建設は、
ドバイに完成した世界一高いビル、ブルジュ・ハリファ(828m)を引き合いに出し、
「1000mの建築物は現実的な高さ」と話す。
政府が6月にまとめる予定の「新成長戦略」では、
その重要な項目としてインフラ輸出や環境・エネルギー分野が掲げられる予定だ。
地球温暖化の影響で海面が上昇し、水没の危機にあるといわれる島国がある一方で、
新興国で都市化が進み、CO2の吸収源である緑地が減り続けている。
世界各地で環境に配慮した「スマートシティ」の開発が活発になっているが、
グリーンフロートの発想は大いに参考になる。

2010/6/7 9:00 (日経BPクリーンテック研究所 神保重紀)

う~ん。記事、書いといてなんですが、絵に描いた餅のやうな・・・。