『少尉殿は戦死! 軍曹は行方不明、最専任は親父さん、貴方です!』
『あわてるな!分隊経由で各員に伝達!攻撃目標変更。
動力降下で直下の敵陣地を強襲する!』
『パ、パラシュート無しで降りるんですか!?』
『ぐずぐずしていたら敵の的になるだけだ。
まず高射砲を制圧し降下地点を確保する、他の事はその後だ。
いいか……よし、いくぞ!』
(ジュリアン、パパはもうお前に会えそうにない。どうか元気でな…。)
■第N次恒星間戦争中期、異星種族アレクニドの植民惑星シオールにおける
カプセル降下戦闘のショット。
一連の戦役で地球連邦軍は多大な犠牲を払いながらも、
重神経ガス弾による対クモ戦術を編み出し、ついにシオール占領に成功した。
写真の機動歩兵伍長は崩壊した小隊を立て直し、
後続が橋頭堡を確保するまで奮戦した。生き残ったのは彼一人だった。。
…私たちの分隊はよく戦った。だが、場所が違っており、
他の分隊と連絡が取れず。小隊長も軍曹も戦死してしまったので、
私たちは隊形を立て直すことが出来なかった。
それでも私たちは一歩も引かず、特殊火器班は強力な拠点を築き上げ、
援軍部隊が姿を見せれば、
ただちに私たちの確保した場所を譲り渡す体勢ができていたのだ。
ただその連中は来なかっただけだ…。
そうこうしている間に、私たちの弾薬も跳躍用燃料も、
ついには強化服を動かす燃料まで少なくなってきた。
私にはこの戦闘が、二千年も続くのではないかと思われた。。
その時、私はヘルメットの中に、
二度と聞けないと思っていた<全員呼集>の声が響くのを聞いた。
『助けられる限り救助!帰投!帰投!救助し帰投!
どのビーコンでも聞こえる所へ!6分だ!…』
再集合音が聞こえてきた。
聞こえてくるべきはずの集合音「ふわふわ時間」ではなくて、
私の知らないメロディー「たなび時間」だった。
なんでもいい。
とにかくビーコンだった。<ヴァリィ・フォージ>からのではないだけだ。
私はそいつを聞くなり、残っていた跳躍燃料をフルに使い、
あわや発進という時に飛び乗った。
その後、間も無く<ヴァートレック>に落ち着いたが、
あまりのショックで、自分の兵役番号まで思い出せない始末だった…。
「いくぜモンキー野郎ども!
人間一度は死ぬもんだ!」
こうやって、着るんや~。
はい。ロバート・A・ハインライン作『宇宙の戦士』。
この作品がなかったら、ガンダムはなかったんだよ。
ガンダマーは必読ですね。