生物の体内で1日のリズムを刻む「体内時計」に合わせて日照時間を調整し、
生育に最適な条件で栽培する「レタス工場」の実証試験に、
大阪府立大が乗り出す。
2年ほどかけて効率よく栽培できるシステムを確立し、
将来的には海外にも売り込みたいとしている。
地球上の動植物の体内時計は、
ほとんどが1日約24時間のサイクルとなっている。
このため、人工照明で野菜などを育てる「植物工場」では、
日中と夜間を12時間ずつにして栽培することが多い。
ところが、レタスの体内時計はおおむね、
日中と夜間が11時間ずつの22時間サイクルになっていることを、
同大学の福田弘和准教授らの研究グループが発見。
24時間サイクルの場合よりも約2割増え、
生育のスピードも同程度速くなることを確認した。
グループは研究成果を応用し、
レタスの葉緑素が発する微弱な光エネルギーの推移を測定することで
体内時計のサイクルを割り出すセンサーを開発。
育苗の段階で、生育が早くなるサイクルの苗を選別し、
日照時間や温度などの条件を厳重に管理した空間で
促成栽培する方法を考案した。
(2013年5月20日15時07分 読売新聞)