「環境先進地」の呼び声高い北欧の中でもノルウェーは、
温室効果ガスの排出量を実質ゼロにするという野心的な目標を掲げ、注目される存在だ。
その切り札となる「水素街道」を歩いた。
ノルウェー南部ポシュギルンにある水素ステーション。
水素燃料で動くエンジンを搭載した特別仕様のトヨタ・プリウスにホースがつながれ、
「ジー」という静かな機械音が響いて約2分。補給した車は路上に戻っていく。
ガソリンのにおいはない。「水素自動車が主流になる日に備えた長期的な投資です」。
官民合同の事業体「ハイノール」現地事務所のヒルド・ストラムさんは、こう語る。
水素街道は、首都オスロと西部スタバンゲルを結ぶ幹線道路約580キロ区間に
水素ステーションを設けていく事業。
ステーションは現在2か所だが、2015年までに、
隣国スウェーデンからデンマークまでも網羅し、全長約1500キロに計45か所とする計画だ。
ノルウェー政府は今年1月、2030年までに温室効果ガスを「全廃」すると発表、
国内外12分野で新たな取り組みを始めた。
ガスの大半は国内で削減し、残りは国外での植林活動などを換算し、排出と相殺する計画。
そのカギを握るのは、国内排出量の約2割を占める運輸部門だ。
歩道・自転車道の拡充など取り組みは多彩だが、
目玉となるのは、水素街道の整備による排ガス激減策だ。
欧州連合(EU)の試算によると、水素燃料導入が進めば、
50年までに道路交通でガソリンなどの消費が約4割減る。
水素燃料を貯蔵する独自技術を持つノルウェーは、購入税も免除し、水素自動車普及を図る。
フィンランドを除く北欧4か国は
経済規模に比べて二酸化炭素の排出量が少ない「クリーン経済」先進国。
北極圏の氷解で温暖化の危機を日々実感していることが、
元々高い環境意識をさらに刺激しているという。
(2008年10月6日 読売新聞)
温室効果ガスの排出量を実質ゼロにするという野心的な目標を掲げ、注目される存在だ。
その切り札となる「水素街道」を歩いた。
ノルウェー南部ポシュギルンにある水素ステーション。
水素燃料で動くエンジンを搭載した特別仕様のトヨタ・プリウスにホースがつながれ、
「ジー」という静かな機械音が響いて約2分。補給した車は路上に戻っていく。
ガソリンのにおいはない。「水素自動車が主流になる日に備えた長期的な投資です」。
官民合同の事業体「ハイノール」現地事務所のヒルド・ストラムさんは、こう語る。
水素街道は、首都オスロと西部スタバンゲルを結ぶ幹線道路約580キロ区間に
水素ステーションを設けていく事業。
ステーションは現在2か所だが、2015年までに、
隣国スウェーデンからデンマークまでも網羅し、全長約1500キロに計45か所とする計画だ。
ノルウェー政府は今年1月、2030年までに温室効果ガスを「全廃」すると発表、
国内外12分野で新たな取り組みを始めた。
ガスの大半は国内で削減し、残りは国外での植林活動などを換算し、排出と相殺する計画。
そのカギを握るのは、国内排出量の約2割を占める運輸部門だ。
歩道・自転車道の拡充など取り組みは多彩だが、
目玉となるのは、水素街道の整備による排ガス激減策だ。
欧州連合(EU)の試算によると、水素燃料導入が進めば、
50年までに道路交通でガソリンなどの消費が約4割減る。
水素燃料を貯蔵する独自技術を持つノルウェーは、購入税も免除し、水素自動車普及を図る。
フィンランドを除く北欧4か国は
経済規模に比べて二酸化炭素の排出量が少ない「クリーン経済」先進国。
北極圏の氷解で温暖化の危機を日々実感していることが、
元々高い環境意識をさらに刺激しているという。
(2008年10月6日 読売新聞)