植物の根に似た役割を果たすコンブの「仮根(かこん)」に、 抜け毛を減らしたり、発毛を促す効果のあることが 網走市の東京農業大学生物産業学部(東農大網走)などのグループの研究で分かった。 仮根に含まれる豊富なミネラルなどが発毛を促している可能性があり、 研究グループは有効成分を特定し、発毛剤の開発に乗り出したい考えだ。 研究グループは、東農大網走の西沢信教授(天然物化学)と製薬会社カイゲン(大阪)、 毛髪製品製造・販売アートネイチャー(東京)。 仮根は、海底の岩場に張り付いて、マコンブなどのコンブの本体を支える器官で、 カニの足に似ていることから「ガニアシ」とも呼ばれる。 固くて食用には向かず、従来は廃棄されていた。 仮根にはコンブ本体の二・五-四倍のカリウムや三-四倍のカルシウムに加え、 抗がん作用があるとされるぬめり成分・フコイダンも含まれていることから、 カイゲンは二○○一年から仮根を乾燥粉末にし、健康食品として販売していた。 ところが○六年、これを服用していた人から 「頭髪が生えた」「白髪が黒くなった」などの事例が報告された。 カイゲンの志多伯(したはく)良博・食品事業部長代理は「思わぬ事例に驚いた」としている。 カイゲンは以前、関連企業の研究員だった西沢教授に検証への協力を依頼し、 さらに興味を持ったアートネイチャーも研究グループに加わった。 グループは○六年十月から、抜け毛や白髪を気にしている三十-七十歳代の男女百十一人に、 仮根の粉末一グラムを毎日服用してもらった。 この結果、一カ月で効果が出始め、六カ月間服用を継続した百七人のうち76%の八十一人に 発毛促進や抜け毛・白髪の減少などの効果が確認された。 西沢教授は 「仮根のどの成分が作用しているのか、まだ不明だ。 豊富なミネラルなどで新陳代謝が高まり、末梢血管の血行が改善されるなどして 髪が生えるのかもしれない」 と話し、さらに研究を続けている。 北海道新聞 08/01/03
これでコンブの価値が一層上がりましたね~。