金大大学院自然科学研究科の新田晃平教授と、東大など産学連携チームは十二日までに、 二酸化炭素(CO2)からプラスチックを製造することに成功した。 工場から出るCO2を原料に使えるため、地球温暖化の抑制に直接的な効果が期待できる。 包装材やフィルムなど幅広い用途に利用が見込まれており、 今後は新田教授が中心となって“CO2プラスチック”の性質を高め、 国家プロジェクトとして五年後をめどに実用化を目指す。 このプラスチックは原料の半分にCO2を使い、エポキシドという化合物と混ぜて作られる。 従来のように石油から作るのに比べ、CO2の排出量を三割以上減らせる上、 石油の使用量も少なくて済む。 製法技術は一九六八(昭和四十三)年に東大が開発したが、 完成品は熱に弱いなどの欠点があり、普及しなかった。 今回、東大と東京理科大のグループが新しい触媒などを開発したことで、 耐熱性が改善し、産業化のめどがついた。 新田教授は、試作されたプラスチックの機能評価や、実用化に向けての品質改良を担当する。 世界中で年間数千万トンが製造され、 スーパーのレジ袋から自動車部品にまで使われているポリプロピレンや ポリエチレンに並ぶ素材になると予想されている。 この研究は東大が主体となって進め、東京理科大や慶大も参加し、 帝人、住友化学、住友精化、三菱商事が用途開発を進めている。 新田教授は 「環境への影響やコスト的にも現在のプラスチックの代わりとなる画期的な素材。 あらゆる分野に使えるようにしたい」と話している。 10月13日03時09分 北国新聞
ただ、プラスチックの使用に関しては、もっと減らして行かないとね。