東京、しかも銀座のど真ん中でハチミツの「地産地消」に取り組んでいるNPOがある。
実際どうやっているんだろう。出かけて見てきた。(アサヒ・コム編集部)
土曜日の朝9時、東京・銀座の11階建てビルの屋上に、
白いつなぎに身を包んだメンバー15人ほどが集まった。
三つの巣箱を順に開け、中の巣板を取り出す。
ミツバチの様子を確認しながら採蜜(さいみつ)作業は進む。
意外にもミツバチはデリケートな生き物。作業は素手で行われていた。
ミツバチを飼っているのはNPO法人「銀座ミツバチプロジェクト(高安和夫理事長)」。
プロジェクトは今年で2年目。
銀座や丸の内で働く約20人のメンバーが交代でミツバチの世話をしている。
銀座で「銀座食学塾」というシンポジウムを開催していた高安さん。
農業や街づくりの勉強会を重ねるなかで、「ここ銀座でやれるものはないか」と探り、
都心で養蜂を実践していた岩手の養蜂家、藤原誠太さんに出会ったのは2005年のことだ。
目指したのは「地産地消」。
銀座産のハチミツを地元の企業に使ってもらい、銀座オリジナルの商品が店頭にならぶ。
そんな姿をイメージをしつつも、実際には「趣味の延長のようなものでした」と高安さん。
収穫されたハチミツの品質が思いのほか良かったことで、2年目の今年、一気にブレーク。
マドレーヌ、ようかん、カクテル、コーヒー……。
銀座の企業11社がオリジナルの商品を販売するまでになった。
銀座に1号店を構えるコーヒーチェーン店「タリーズコーヒージャパン」では、
銀座店開店10周年を記念して「銀座ハニーミルクラテ」を販売。3人に1人が購入する人気だ。
ミツバチの行動範囲は、半径2~4キロ。
銀座の街路樹、浜離宮公園、日比谷公園、皇居などで蜜を集めてくる。
この時期、コガネモチ、エゴノキ、キンカンの花が盛り。
採れたハチミツからは柑橘(かんきつ)類の香りが漂う。
昨年の収穫は約150キロ。今年は天候にも恵まれ、すでに200キロを超えた。
最終的に300キロを見込む。
4日から6日まで銀座のミツバチをテーマにした「オペラthe銀座~銀ぱち物語~」が上演された。
メンバーの1人は「オペラの次は映画に挑戦したい」と語る。
ミツバチを中心に人の輪、活動の和が広がりはじめている。
画像1:「銀座ハチミツプロジェクト」のメンバー
画像2:採蜜作業を進める副理事長の田中さん。
ミツバチへの影響を少なくするため、作業は素手で行う
画像3:今回採れたハチミツ。天候に恵まれ24キロほど採れた
画像4:タリーズ銀座店では、オリジナルの「銀座ハニーミルクラテ」を販売。好評を得ている
asahi.com 2007年06月23日
いや~。TV番組『
宇宙船地球号』でも取り上げられていましたね。
東京銀座だけでなく、色々な都市でこの様な事をして頂きたいですよね。