火山国の日本は「地熱」に恵まれている。
再生可能な自然エネルギーの一つで、うまく活用すれば地球温暖化の防止につながる。
風力や太陽光は天候に左右されやすいが、地熱は安定しているのが強みだ。
出来てから数十万年たった火山の下にはマグマに温められた熱水がたまる地熱貯留層がある。
エネルギーとして利用するには、
深さ数百~3000メートルほどの井戸を掘ってセ氏200~350度の熱水や蒸気を
くみ上げて発電機のタービンを回す。残った水は再び地下に戻す。
国内の地熱発電所は60年代後半からで、
現在ホテルなどの自家用発電を含めると全国に18カ所ある。
合計出力は53万キロワットと、原発1基(約100万キロワット)にも届かない。
日本の総発電量の1%未満だ。
この数字は90年代半ばからほぼ変わっていない。
地熱を利用できそうな適地の多くが国立公園内にあり、
周囲では掘削コストがかかりすぎることなどが開発の障害になっているという。
産業技術総合研究所の試算では、潜在的な日本の地熱資源は原発20基分もある。
インドネシア、米国に次いで世界3位だ。
「まだまだ利用の余地はあります」と産総研の村岡洋文・地熱資源研究グループ長は言う。
適地に隣接する温泉地から、
「発電のために熱水をくみ上げたら、湯が出なくなるのでは」と懸念の声があがることもあるが、
村岡さんは「使う熱水の温度や深さが違うので、悪影響はほとんどありません」。
最近、沸点の低い液体を使って数十度で発電する技術や、
地上から注入した水を地熱で温めてくみ上げる高温岩体発電も注目されている。
後者は豪州などで実用化の動きがある。
一方、熱をそのまま使う「地中熱ヒートポンプ」は、どこでも可能だ。
年間を通じて一定の温度(約15度)である地下50~100メートルの管に通水。
冬は地中の熱を暖房に使い、夏は地上の熱を逃がして冷房に使う。
欧米では普及しており、日本でも一部の公共施設などで導入が始まった。(佐々木英輔)
asahi.com 2007.09.23
いや~。確かに日本を掘っても石油は出ませんが、温泉は出ますもんね~。
原発20基分の潜在エネルギーが日本の地面の中に眠っているとはオドロキです。
なんとか、有効利用したいもんですね。