「お肌にいい」「関節の痛みが治まる」などと宣伝されているコラーゲンだが、 たんぱく質の一種で、ヒトでは全たんぱく質の約3割を占める。 皮膚や骨、腱、血管など体のほとんどにあり、臓器を形作ったり、細胞の足場になったりする。 コラーゲンの分子は、右巻きの三重らせん構造だ。 らせんの一本一本はアミノ酸が多数つながった「ポリペプチド鎖」で、 アミノ酸の違いにより、20種類以上のコラーゲンがある。 全コラーゲンの4割は皮膚に、2割は骨や軟骨にある。 皮膚ではコラーゲン分子が束になってコラーゲン原線維に、 さらにそれが束になりコラーゲン線維となって、表皮の下の真皮を網目状に埋め尽くし、 皮膚の弾力を保っている。骨ではミネラルと結びついて強度を保つ。 「紫外線や加齢によって真皮のコラーゲンが変性すると、しわなどの老化が起こります」と、 東京農工大硬蛋白質利用研究施設の西山敏夫教授。 コラーゲン分子同士が結びついてしまい、弾力が損なわれるためだ。 年をとると、コラーゲンは減る。たくさん食べればお肌や骨に補えるのだろうか。 「ヒトで有効性が示された研究はまだ見当たりません」と 国立健康・栄養研究所の石見佳子・プロジェクトリーダーは言う。 コラーゲンは鳥皮や骨などに多く含まれ、加熱によりらせんがほどけて「ゼラチン」になる。 魚の煮こごりなどがそれだ。 コラーゲンは消化されにくいが一部は胃や腸内でさらにアミノ酸1~3個の分子にまで分解される。 アミノ酸が2個のものをジペプチド、3個のものをトリペプチドというが、 腸で吸収できるのは基本的にトリペプチド以下の分子とされる。 1、2個に分解されると、他のアミノ酸とあまりかわらない。 コラーゲンを食べるとお肌がぷるぷるになるというのは、 「原料の補給にはなりますが、そのまま作用するとは理論的に考えられません」と石見さん。 ただ、動物では骨への一定の効果が報告されており、ヒトでの成果も待たれる。(久保佳子) asahi.com 2007/06/17
いや~。スッポン食べて、お肌プルプルは、科学的には証明さていないとはねぇ~。