ガソリンの代替燃料バイオエタノールの原料開発を目指し、
道内三農協と北海道農業研究センターが普通のコメより収量が多い「多収米」の試験栽培を始めた。
国産米は現在、全量が食用として流通しており、燃料に転用するにはいかに安く多く作るかが課題。
農業関係者からは新たな休耕田対策として期待の声も上がっている。
農水省が一日発表したバイオ燃料モデル事業には、
道内からJA道中央会を中心とする北海道農業バイオエタノール燃料推進協議会と、
酒造大手のオエノンホールディングスによる北海道バイオ燃料地域協議会の二団体が採択され、
五年間で農産物からのエタノール製造と普及に取り組む。
JA道中央会などのグループは、原料に規格外小麦やビートのほか、
全国一の作付けを誇るコメを想定。オエノン側も将来的には道産米を使う方針だ。
ただ、国産米は現在、規格外も含め食用で買い手が決まっており、
「エタノール原料として採算に合う値段で入手するのは困難」(JA道中央会)という。
そこで注目を集めるのが家畜飼料用などに開発された多収米。
JA北ひびきとJAふらのは北海道農業研究センターと契約し、
多収飼料米「北海飼308号」を五月から三十アールに試験栽培している。
同センターによると、この飼料米は「きらら397」に比べ収量が15-20%多い。
病気や冷害にやや弱いものの、肥料を多めに使うなどすれば約50%の収量増も期待できるといい、
清水博之・同センター稲育種グループ長は
「生産経費との見合いで栽培法を検討するのが今後の課題」と話す。
JAきたそらちも、二○○三年に道立上川農試が開発した多収の食用品種「大地の星」の
試験栽培を始めた。「きらら」の約20%の収量増を目指す。
道内の水田面積は二十三万ヘクタールだが、うち半数は生産調整による転作耕地や休耕田。
試験栽培を計画した黄倉良二・前きたそらち農協組合長は
「水田はどんな形でも維持すべきだ。農家の期待も大きい」と強調している。
画像:「大地の星」で多収米の試験栽培を行っている深川市内の水田
北海道新聞 2007/06/13 08:40
確かに水田は一度、他の用途に使うとまた水田に戻すのに長い年月が必要ですしね。。
水田のまま残して、稲作を続け収穫した米を食用ではなく
バイオエタノールにするのは、
良い方法かもしれません。。