deahiro’s blog

ネットの場末で、ひっそりと。。

『野菜工場』官民一体で推進の事。

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光や温度、二酸化炭素濃度など環境条件を人工的に制御し、
季節にかかわりなく野菜を生産する「植物工場」。
無農薬で洗わなくても食べられ、安全安心面でも利点がある。
生産コストの低減と販路拡大が課題だが、輸出産業につながる究極の野菜作りとして期待は大きい。 

植物工場には、
閉ざされた環境で太陽光は利用せず蛍光灯やLED(発光ダイオード)を使った照明や空調、
土を使わず水を通した養分の供給で栽培する「完全人工光型」と、
温室で太陽光を基本にしてLEDなどで光を補う「太陽光利用型」がある。

全国で約五十カ所が稼働中。
サラダ菜やリーフレタス、ハーブなど葉菜類やイチゴ、トマトなどを生産している。
ただ、比較的流通量の多い植物工場産のレタスでもシェアは1%未満で、本格普及はこれからだ。
国は三年後に植物工場の設置数を百五十カ所に増やすことを目指す。

一年中安定生産ができ、工業団地、商店街の空き店舗でも設置可能。
自動化や多毛作で高い生産性が期待でき、栄養素の含有量を高めることもできるハイテク農業だ。

【光を制御】
東京都内で二月に開かれた「植物工場推進フォーラム」。
主催した経産省農水省の担当者は、次世代産業への期待を話した。
研究者や関係事業者が一堂に会したのは初めて。官民一体の取り組みが本格的に動き始めた。

植物は特定の波長の光を取り入れて成長する。
光合成では波長が六六〇ナノメートル近辺の赤色の光が強く影響し、
花芽の形成には四五〇ナノメートル近辺の青色の光が影響する。
特定の波長の光だけを効率よく出せるLEDを使えば、
開花や結実の時期、栄養成分までコントロール可能だ。

季節、天候に左右されず野菜を安定供給できるだけでなく
葉菜類でカルシウムや鉄分の濃度が高い野菜を簡単に作れる。抗酸化物質も増やせるのでは」
と池田英男・大阪府立大名誉教授は話す。

古在豊樹・千葉大名誉教授も
「ビタミンCやポリフェノールといった光合成産物は、環境で量と濃度が大きく変わる。
それを環境制御技術でどう高めるかは、植物工場の大事なテーマ」と説明。
薬用植物栽培も視野に入れると面白いという。

【コストと販路】
課題は高い設置・運営コスト。
特に完全人工光型は膨大で、十アール当たりのコスト比較(事例)では、
ビニールハウスの設置コスト千八百万円、運営コスト(光熱費)年額四十万円に対し、
植物工場は三・一億円、千八百六十万円かかる。

「生産コストを三年後に三割減」が国の目標。
そのためには、工場栽培に適した品種の育成や環境制御・生育予測プログラムの開発のほか
「標準化は避けて通れない」(池田名誉教授)。

販路拡大も重要だ。消費者、流通業者、外食産業での認知度は低い。
植物工場に詳しい高辻正基・社会開発研究センター理事は
「無農薬、無洗浄、長持ちでシャキシャキ感があっておいしい、機能性が高い。
こうした点をアピールすべきだ」と指摘。
「魅力的な統一ロゴマークなどをつくり認証制度を設ける」ことを提案する。

植物工場そのものを輸出する動きもある。三菱化学は「コンテナ野菜工場」を開発。
断熱仕様のコンテナに空調や水処理、照明設備を備え、
一日あたり五十株程度のレタスなど葉物野菜の収穫を可能にした。

中東カタールへの納入が決まっているほか
「他の湾岸諸国からも引き合いがあり、今後、期待できる」と同社は話す。

●記者のつぶやき
先進国はオランダだが、中国、韓国、台湾もナショナルプロジェクトで一斉に動き始めているという。
供給先は自国内だけでなく中近東も視野に。
日本もうかうかしていられない。早急に全体構想を描かないと。

中日新聞 2010年4月6日

いや~。こういう植物工場を、都心の真ん中にたくさん建てるとか。。
これはイイと思いますよ~。

当ブログも以前から注目してるんですどね。もっと普及しないと。


駅前にコンテナ式野菜工場 太陽光で多品種栽培の事。
http://blogs.yahoo.co.jp/yqsbc547/60649570.html

植物工場、農水省が普及に本腰の事。
http://blogs.yahoo.co.jp/yqsbc547/59695113.html

LED光と紫外線で野菜の栄養アップの事。
http://blogs.yahoo.co.jp/yqsbc547/58030697.html