創立者となる社長が資本金(約88億円)のほとんどを個人出資して設立された米国の「中小企業」が 史上初の民間宇宙ステーションの打ち上げに成功した。 これまで宇宙ステーションを開発して打ち上げることができたのは米国とロシアの2カ国しかなく、 3カ国目が国家ではなく個人というのは宇宙開発史上まったく異例の出来事となる。 世界初の民間宇宙ステーションの名誉を獲得したのは米国の企業家ロバート・ビジロウ氏が 1999年に設立したビジロウ・エアロスペース社が開発を行い、 大陸間弾道ミサイルから改造されたロシアのドニエプル・ロケット(SS-18型ミサイル)を使って 今年の6月に打ち上げられたジェネシス1(画像上)となる。 ジェネシス1は無人ながらも現在も地球の軌道上を順調に周回飛行している。 ビジロウ社は今月21日には米国の航空宇宙産業の中核企業となるロッキード・マーチン社と提携し、 ロッキード・マーチン社のアトラスV型ロケットを有人用に改装する計画を発表。 国家予算を使って国家主導で進められてきた宇宙開発はここにきて一気に民間主導型に 変貌を遂げてきた格好だ。 ビジロウ社では今回打ち上げられたジェネシス1に対して、 2007年には別モジュール「ジェネシス2」を追加、 更に、2009年から2010年には有人用モジュール「ジェネシス3」が追加される予定となっている。 完成した宇宙ステーションは宇宙ホテルとして同社が進めている宇宙観光旅行用に利用することが 計画されている。 これまで、民間企業による宇宙観光旅行計画は高度100キロの宇宙に到達する弾道ロケットを 利用するものがほとんどで、2000万円以上の旅費を支払ったとしても 実際に宇宙の無重力状態が味わえるのは数分間がせいぜいといったものが多かった。 しかし、ビジロウ社の宇宙ステーションを使えば数日に渡って宇宙に滞在し、 軌道上から地球を眺めるなど本格的な宇宙観光旅行を行うことも可能となり、 宇宙観光旅行のしきいが一気に下がってきた格好となる。 それにしても個人出資(資本金の95%がビジロウ氏が出資している)の会社が 宇宙ステーションを開発して打ち上げてしまったというのは驚くべき限りである。 この調子だと近い将来には月までの往復を競う個人による宇宙船レースなども始まるかもしれない。 画像下は軌道上にあるジェネシス1に搭載されているカメラから撮られた地球の風景。 【テクノバーン】(2006/9/28 16:46)
いや~。国家でなく企業による宇宙開発も進んできましたね。
利益を追求する民間主導による宇宙開発が、今後の主流になりそう。。
利益を追求する民間主導による宇宙開発が、今後の主流になりそう。。