deahiro’s blog

ネットの場末で、ひっそりと。。

『育てる漁業特集』の事。

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画像上:『エゾバフンウニの養殖に期待 水揚げ高5年前の12倍に』の事。
釧路管内浜中、厚岸両町で、
新たな栽培漁業としてエゾバフンウニの養殖が注目を集めている。
十五年前に始まった浜中町内では、今年の水揚げ高が天然ウニをしのぐ勢いに。
厚岸漁協も一昨年、養殖試験に乗り出した。
主力のコンブが輸入品との競合で価格低迷にあえぐ中、養殖ウニに対する浜の期待は大きい。 

道東のウニ資源増対策は一九九○年代の初めまで稚ウニの地まきが中心だったが、
浜中町の散布漁協ウニ養殖部会の十一人が九二年、
波の影響が少ない内水面の火散布沼(ひちりっぷとう)で養殖試験に着手。 

沼の塩分濃度を測り、直径六十センチ、
長さ三メートルの円筒形の養殖かごに稚ウニと餌のコンブを入れ、
成長に適した水深を探りながら、育てる技術を確立してきた。 

二年かけて直径五センチ前後に育ったウニは、九月から翌年三月にかけて出荷する。
餌がコンブだけのため雑海藻も食べる天然ものに比べ身は一様に甘味が強く、黄色が鮮やかだ。
浜値は一キロ当たり三千円前後で、天然ものの一・五倍、キタムラサキウニに比べると三倍以上だ 

浜中漁協の組合員もこの技術を学び、二○○一年、浜中、琵琶瀬両湾で養殖を開始した。
波で施設が流されるなど、外海ゆえの困難にも出くわしたが、
海底に埋め込み式のアンカーを付けて施設の損傷を防止。
同漁協ウニ養殖研究会の会員は五十人にまで増え、養殖かごの数は約三千個に及ぶ。 

「給餌など作業負担は大きく、しけによるリスクもあるが、冬場も出荷できる貴重な資源だ」と
同研究会の鹿能光邦さん。ウニ養殖を始めてから冬場の出稼ぎをやめたという。 

                        北海道新聞 2007/11/10 12:27
   


画像中:「育てる漁業」に活路 根室・落石漁協 まずクロソイ養殖の事。
北洋漁業の基地・根室市にある落石漁協は今年から高級魚クロソイの試験養殖に取り組んでいる。
同市内では、ウニなどの増殖事業は行われているが、魚の養殖は初めて。
国際的な漁業規制の強化や資源減少で「捕る漁業」が縮小しているためで、
クロソイを手始めに、将来的には他の魚種も視野に入れ、「育てる漁業」に活路を探る。 

同漁協は「育てる漁業」で厳しい現状を打開しようと、根室沿岸にも生息し、
室蘭市などで養殖の実績があるクロソイに注目。
太平洋に面した湾内にあり、流氷や外海の影響を受けにくい落石漁港内にいけすを設置し、
七月中旬に三センチほどの稚魚五千匹を放流した。
現在も大半が生存し、八-一○センチに成長している。 

今後、海水温が氷点下になる冬に稚魚がどの程度生存できるかなどを調べ、飼育方法などを検討
三年後に三○センチほどに育てて出荷する計画だ。
クロソイは刺し身や煮付けにすると美味で、浜値は一キロ七百円程度。
「活締め」で出荷すると、さらに高値で取引される。 

同漁協の土田主義指導部長は
「根室の漁業は先行きが厳しく、新たな生産手段を考えざるを得ない。
 養殖事業を確立し、沿岸漁業を振興したい」と話している。 

                        北海道新聞 2007/11/03 07:55


画像下:イカゴロを海の肥料に 桧山沖で海中投入試験の事。
桧山管内乙部町上ノ国町の沿岸で、海藻類が生えなくなる「磯焼け」を食い止めようと、
イカの内臓(イカゴロ)を海の栄養分として投入する試みが行われている。
イカゴロは一般には産業廃棄物として処理されているが、
かつては浜を豊かにする「肥料」として日常的に海に捨てられてきた。
ウニやアワビなどの水揚げ減を招いている磯焼けの対策にイカゴロが救世主となりうるか-。 

乙部町元和沖の水深十メートルの海底に十月下旬、
鉄製のかごに入れた冷凍のイカゴロ百キロが沈められた。
茶褐色のイカゴロがじわりと溶け出し、わずかに海中が濁った。
「この濁りが海にとってはいいもんなんだ。イカを浜でスルメに加工して、
 イカゴロを海に捨てていた数十年前までは、磯にコンブがびっしり生えていたよ」。
作業に携わっていたベテラン漁師、佐々木義春さん(52)は言った。 

磯焼けは、アワビやウニ、魚類の成育の場となる沿岸域の海藻が消えてしまう現象。
地球温暖化による海流変化などで、
海藻類の成長に欠かせない窒素やリンなどの栄養塩が不足することが原因とされる。
道内では桧山沖など南西部沿岸で被害が目立っており、
これは栄養分が豊富な千島海流が流れ込みにくいためと考えられるという。 

函館水試によると、イカゴロはタンパク質などの有機物のため、
海藻が直接、栄養分として取り入れることはできない。
ただ、海中の微生物によって無機物に分解されれば、科学的には栄養となりうるという。 

磯焼けに詳しい東北大大学院の谷口和也教授は
「イカゴロは、海藻の芽を食べるウニを必要以上におびき寄せる可能性もあり、
 磯焼け対策に有効かどうかはなんとも言えない。
 イカゴロを発酵させ、無機物にしてから投入する方がより効果的だろう。
 ただ、磯焼けにさまざまな回復策を試みることは意義がある」と話す。 

イカゴロの投入試験は両町で来年三月まで行う計画。乙部町は来年度以降も続ける考えだ。

                       北海道新聞 2007/11/10 09:14

う~ん。獲る漁業はもう限界なんですかね。。
育てる漁業が正しいかどうかは分かりませんが、
これからも海から安定的に水産資源を確保しようとするなら、
『育てる漁業』を今後も精力的に実施していかないと。。


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