血管の中を何かを流れている感覚がある。 だがその正体は不安感でも、近づきつつある勝利の喜びでもない ――人間の血管内を這い回るように設計された、イスラエル製の直径1ミリのロボットだ。 昆虫型のこの小さな装置は磁力で遠隔操作され、血管の中を移動する。 イスラエルの新聞、Haaretz紙の記事 「イスラエル人科学者、血液の中を移動する極小ロボットを発表」から引用する。 「ロボットは何の問題もなく、体内の圧力のかかる血管の中で、血流に逆らって進むことができる。 これは今まで不可能だったことだ」 ロボットは、斜めに突き出した腕状の突起で静脈や動脈の壁をしっかりとつかみ、 血管の直径にあわせて自分の大きさを調整する。 具体的な用途はまだ決まっていないが、最優先事項として 心臓病の原因となる血管の詰まりの除去がリストアップされるのは間違いない。 WIRED VISION NEWS 2007年06月29日