高層建築が立ち並ぶ東京・汐留地区。 ビル街を貫く大通りには約70本のイチョウなどが植えられている。 一見、何の変哲もない街路樹だが、地下の基盤に新しい技術が使われている。 人や自転車が行き来する歩道を支える十分な強さと、 木の根が広がりやすい軟らかさという相反する条件を両立させた工法だ。 ■砂利と粉末 ふつう、街路樹は、四角い穴に1立方メートルほど軟らかい土を入れて植える。 その周りは歩道が陥没しないよう、土をカチカチに固めてある。いわば大きな植木鉢だ。 だから街路樹の根は、「植木鉢」の外にはほとんど広がれない。 行き場のない根は、歩道表面のすぐ下にある砂の層に割り込むことが多い。 成長した街路樹の根が歩道を押し上げるのは、そのためだ。 隆起した歩道を改修すれば費用がかかるし、じゃまな根は切るため台風などで木が倒れやすくなる。 都市緑化を手がける東邦レオは、「植木鉢」の外側に根が伸びるようにした手法を開発。 「パワーミックス工法」の名で3月に発売した。 外側には、砂利を埋める。大きさは3~4センチにそろえてある。 上から突き固めると石と石がしっかりかみあい、陥没もしない。 重い列車が通る鉄道の線路を、下に敷いた砂利で支えるのと同じだ。 強度が保てるから、汐留のイチョウの基盤は4メートル四方に広げることができた。 砂利だけでは雨水が流れてしまい、根は伸びない。 そこで、微生物が分解した植物や、肥料などを混ぜた粉末を加えてある。 この結果、根は徐々に砂利のすき間に成長できる。 開発担当の木田幸男常務は 「粉末の詳しい成分は秘密ですが、この粉末が水の流失を防ぎ、根の成長も促します」と説明する。 10年前から開発を始め、材料の試行錯誤を重ねてきた。 ■景観豊かに 5年ほど前から、都内の約10カ所で試験的に導入している。 汐留地区はその一つで、03年に施工された。 歩道の持ち上がりを防ぐだけでなく、 木が十分に根を広げることで高さ15メートルの立派な街路樹に育つことが期待できるという。 今後、都市部の無電柱化が進むと、電線などが地下に埋設され、 根が広がる余地はますます限られてくる。 「電柱をなくし、青々とした街路樹も育てる。 豊かな都市景観を実現するためにパワーミックス工法を生かしてほしい」と木田さんは力を込めた。 〈ひとこと〉 街路樹は歩道の地下にも根を張っているとばかり思っていた。 都会には制約も多いが、できるだけ自然に近い形で木を成長させてやりたい。(谷口哲雄) asahi.com 2007.0422
いや~。街路樹ってただ単に植えていればイイってもんじゃないんですね~。
都会に住んでいますと、街路樹ってホッとするんですよね~。
都会に住んでいますと、街路樹ってホッとするんですよね~。