疲れた体には酸素が必要だ。 体の隅々まで供給することで、蓄積した疲労物質を円滑に取り除けるという。 「気圧」と「酸素濃度」と「時間」を適切に制御できれば、 酸素を増やして回復を促進させることができる。 肺に吸い込まれた酸素は、血液中のヘモグロビンと結合して体内に運ばれている。 ところが大気圧より高い環境になればなるほど、血液に溶け込む酸素は増えていく。 ヘモグロビンが増えなくても、通常より多くの酸素を供給できるというわけだ。 街中で話題の「高気圧カプセル」は1.3気圧。 東京医科歯科大の真野喜洋教授(高圧生理学)は 「1.3気圧の空気では溶け込む酸素の増加はわずか。治療としては難しい」と指摘する。 「しかし高気圧酸素(HBO)療法なら極めて有効だ」 同大付属病院のHBOでは2.8気圧の環境で、 空気ではなく純酸素を3回に分けて計60分吸わせている。 溶け込む酸素は約20倍になり、体の隅々まで酸素を行き渡らせられるという。 血流量を25%ほど減らす作用も働き、酸素を供給しながら腫れや痛みを和らげる効果もある。 疲労回復以上に、ねんざや肉離れ、靭帯(じんたい)損傷などのスポーツ傷害に有効で、 早く治療を受ければ、より早い復帰も可能だ。 多くの国内トップ選手を診ている同大の柳下和慶講師は 「肋骨(ろっこつ)にひびが入った野球選手が2週間後に来院し、2回のHBOで痛みは消えた。 肉離れしたラグビー選手が2週間後の試合に出場するなど、治療期間は6~7割に短縮している」 と話す。 ただ、酸素濃度が上がれば、酸素中毒による副作用や火災を引き起こす恐れもある。 真野教授は「HBOでは専門医が安全を確保し、最少回数で最大の効果をめざしている。 むやみに気圧や酸素濃度を上げては危険だ」と警告する。(斎藤孝則) 画像=東京医科歯科大付属病院にあるHBO療法の大型チャンバー(タンク)は、 同時に16人を治療することができる。治療中は2時間ほど外に出られないため、 テレビなども設置してある。 asahi.com スポーツ・ラボ 2006.11.19
高橋尚子選手にも教えてあげたいですね。
細胞の活性化を促して、怪我を早く治してしまうという事ですね。。
老化防止にも使えそうな・・・。